Courses by Kenichiro AOKI, 1995 acadmic year


物理学 (通年)

本講義の主目的は量子力学の概念を理解し,物理的にどのような効果をも たらすかを理解することである. 歴史的に重要な実験,思考実験,また現代物理における具体例を理解 することにより量子力学的考え方を身につけるようにする. 現在研究されているような分野でどのような点が問題になっているのか? それは何故か?そして,どこまで判っていて何がまだ判っていない のか?ということも素粒子論を含め幾例かにおいて説明する. 高校で物理を学んだことを仮定せずに,理解に必要な物理はその都度説 明していく. 実際の物理現象を理解するにはいろいろな物理の分野の 理解が必要であるが,これもその都度説明する.時間が許す限り,特殊/ 一般相対性理論,統計物理,など学生の興味があると思われる物 理の基礎分野の側面を盛り込む予定である. 学生の方々には量子力学と聞くと困難な分野であり高度な数学を体得し ていないと理解できないであろう,という印象を持っている人も多いか も知れない. 確かに我々の直観で理解しやすい古典物理とは量子力学は概念 的に異なり, 理解するのには努力が必要である. しかしその分刺激的であると思う. また講義で説明するように,重要な物理の本質は高度な数学を全く用い ない大雑把な計算で理解できる側面がほとんどである. 広く浅く,ではなくいくつかの物理事象をじっくり分析し,理解 することを目指す. この講義で感じとって欲しい点の一つは物理的な考え方である. 後々仕事,また自分の興味によって物理に出会った時 理解に役立てば幸いである. 更に,物理に必要な論理的思考法,そして半定量的な概算をする能 力,といったものは物理だけでなく,どの分野でも役に立つと思われる. 現実に物理の教育を受けた人,研究者であった人で経済界で活躍してい る人は数多くいる. 隔週ごとに,講義と実験を交互に行なう. 実験は簡単な基礎的なもので2人1組で行なう. 1クラス60人くらいの人数制限がある.

実験の教科書: 「物理の実験」 慶應義塾大学日吉物理学教室編
講義の教科書: 特になし
{参考書:} 特になし


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Last modified: Mon Jul 29 16:44:57 JST 1996