コメント付参考書のリスト

• 現代物理一般
  • ファインマン， 「ファインマン物理学」 (岩波)
    これは基礎物理学全体のすばらしい教科書です．物理的な意味につ いて強調していて考えさせられる本です．「問題を解く」ためには すぐには役には立たないかも知れません．講義内容に対応する部分 を読めば洞察が深まることは間違いないでしょう．
  • 原 康夫 「現代物理学」 (裳華房)
    大学 1 年生向けに量子力学と特殊相対性理論を手短に説明しています．読みやすそうです． 一般相対性理論は扱っていません．
  • 小沼 通二， 現代物理学 (日本放送出版会)
    現代物理の基礎，応用面のいろいろな側面に関して述べてある．そ れにしては短いので便利だと思います．短いので判らなかっ たり，表面的な理解になるかも知れないのはしょうがありません． そういう場合は他の本で補いましょう．
  • 朝永 振一郎， 物理学読本 (みすず書房)
    20 世紀の物理のいろいろな分野について歴史的な経緯を含めて書 いた読み物調の本です．(タイトル通り)
  • 表 みのる，新物理学 (慶応義塾出版)
    文化系の学生用の通信教育の教科書です．一般相対性理論を含め， 相対性理論，量子力学などについても平易な言葉で説明されていま す．簡単な式による説明もありますので理科系の 1, 2 年生の学生 にも判りやすくて良いのではないでしょうか？
• 相対性理論
  • 内山龍雄， 相対性理論 (岩波)
    一般相対性理論まで含めてしっかりとした内容でまとめてある教科 書．分量を押さえているので読み通しやすいと思います．
  • ランダウ／ジューコフ， 相対性理論入門 (東京図書)
    一般相対性理論まで含めた相対性理論に関して一般向な内容と理系 の学生向の内容の両方を前半と後半に分けて書いた本．相対性理論 とは何かについて知るのには良い本だと思います．
• 量子力学
  より詳しく量子力学を学びたい方には標準的な教科書がいくつかあります．私の知っているものをいくつかあげます．量子力学の教科書ははいて捨てるほどあります．標準的な内容ですので自分の好みのスタイルのものを読むと良いと思います．
  • 原 康夫．「量子力学」 (岩波)
    長い本は息が続かないという人はこれでしょう．原さんら しく，手短に重要なポイントを判りやすく説明しています． これ以上短くて量子力学の理系学生用のまともな教科書は私 は知りません．
  • シッフ， 量子力学 (吉岡書店)
    少し古いが一時代を風靡した量子力学の教科書．後半の内 容はかなり進んだものも含まれています．私はこの教科書の 泥臭さが好きです．
  • メシア，量子力学 (東京図書)
    やはり一時代の標準でしょう．シッフよりは新しく，スタ イルもより洗練されています．ちょっときざっぽいかも知 れません．シッフとどちらを選ぶかは好みの問題でしょう．
  • 猪木，河合，量子力学 (講談社)
    1994 年に出た最近の教科書．スタイルはシッ フに近い印象を私は受けます．レベルも似たような感じで 選択されているトピックがモダンだと思います．むしろシッ フより読みやすいのではないでしょうか？ 解答付の問題 を多く用意しているので自習用には適していると思います．
  • ランダウ・リフシッツ 「量子力学」 (東京図書)
    すばらしい本です．他の教科書では触れていないような考 えさせられる内容が埋まっています．しかし，初めて量子 力学を学ぶのであればこの本をいきなり読むことは (よほ ど自信がない限り) 勧められません．難しく感じると思い ます．1 冊標準的な本を読んで大体判ったと思ったら 是非読んでみてください．それからでも十二分に読む価値 があります．